5/4のイベント・レポート!

今日と明日は、明治大学が誇る素晴らしい「アカデミックホール」に移しての展開。ロビーにはヤマハをはじめバック&セルマー、ビュッフェ・クランポン、アントワンヌ・クルトワなどの名器もずらりと展示され、雰囲気を盛り上げてくれます。

休憩時間にはマルカートの展示に人気が集中。特にカラフルなケースはラインアップも充実しているから、当然といえば当然か…。


フルーティストとしてだけではなく作曲家としての顔も持つ荒川洋

実はこの日は新日本フィルハーモニーDAY。幕開けは首席フルーティストの荒川洋氏(http://hiroshiarakawa.com)のコンサート。ピアノ伴奏は、外国語にも堪能で作編曲やさまざまなスタイルの伴奏者としても活躍しているうえだ・よう氏。

アルバム「フレンチコンポーザーズ」(ベルウッドレコード)「花のうた 林光フルート作品集」(コジマ録音) ではそのソリストとしての妙技が楽しめる。今回は「フレンチコンポーザーズ」から《コンチェルティーノ》(シャミナーデ)《ファンタジー》(フォーレ)《大変奏曲"トレモロ"》(ドゥメルスマン)をまず披露。

実は荒川さん、フルーティストとしてだけではなく作曲家としての顔も持っている。オリジナルの《フルートソナタ》は、豊穣なメロディの魅力に溢れた作品だった。


演奏曲

●荒川洋/フルートソナタ ●シャミナーチッコンチェルテイーノOP.107
●フォーレ/ファンタジーOP.79他


プロフィール

国立音楽大学在学中に、故アラン・マリオン、イダ・リベラ両氏の薦めにより、パリ国立高等音楽院に入学。1997年、同音楽院フルート科をプルミ工・プリ(第一位)で卒業。第14回日本管打楽器コンクールにて入賞。1998年、小澤征爾に認められ、新日本フィルハーモニー交響楽団フルート副首席奏者として就任後、2009年より同楽団フルート首席奏者に就任。2006年、ヴェネツィア室内合奏団と共演し成功をおさめる。2007年より仙台クラシックフェスティバルにソリストとして毎年招待される。2008年、ベルウッド・レコードよりソロアルバム「フレンチ・コンポーザーズ」を発表、「レコード芸術」特選盤に選ばれる。コンサートイマジン所属。
地域創造・公共ホール音楽活性化事業登録アーティストとして全国で演奏活動を続ける他、全日本吹奏楽コンクール審査員も務める。近年、作曲活動にも積極的に取り組み、「自作自演コンサート」を定期的に行っている。2009年3月のリサイタルはNHK「クラシック倶楽部」にて収録・放送。現在NHK仙台番組「情報テラス」にて自身の作品「みんなしあわせ」が放映中。


ピアノ うえだよう

桐朋学園大学卒業、同研究科修了。声楽を村上綜、五十嵐修の各氏lこ師事。イタリア語、ドイツ語、フランス語を始めスペイン語、チェコ語など諸外国語のディクションを得意とする。在学中より声楽、器楽の伴奏者として多方面で活躍。ピアノを当麻宗宏、金井裕、仙石裕之、南院紀子の各氏に、コレペティを松井和彦氏に師事。
西日本音楽コンクール入賞。作曲・編曲の分野に於いても精力的に作品を書き評価を得ている。


新日本フィルハーモニー管弦楽団が誇るブラスセクションのメンバーの金管五重奏団

後半は、新日本フィルハーモニー管弦楽団が誇るブラスセクションのメンバーが組んだ金管五重奏団。
アンサンブルコンテストなどでの定番《ファンタジー》(ファーナビー)で開幕。16世紀に生まれたメロディだが、今ではすっかり楽器族たちにおなじみ。そして《亜麻色の髪の乙女》(…といっても、ドビュッシーの方です)で本格的なクラシックブラスの音色がホールに響き渡りました。


《亜麻色…》冒頭はトランペットの服部孝也氏のリードで始まるアレンジ…フランス音楽の微妙な雰囲気をうまくあらわしていました。ちなみに《ファンタジー》の第一曲はレスピーギの《リュートのための古代舞曲とアリア第三組曲》の《シチリアーナ》にも引用されているような気がするんですが(たいていは「作者不詳」となっている…)…うーん、これ調べてみよう。

司会進行は、市川和彦氏。国立音楽大学在学中から新日本フィルで活躍しているベテランだ。博学な知識で楽曲についての解説やそれぞれの楽器についての簡単な豆知識などをうまくメンバーからひきだしてくれる、実に見事なMC(マスター・オヴ・セレモニー)ぶりが素晴らしい

ここからはそれぞれのメンバーがソロを披露。新日本フィルハーモニー管弦楽団(http://www.njp.or.jp/)首席トランペット奏者の服部孝也氏は《アイ・ラヴ・ユー、ポーギー》(ガーシュイン)を演奏。クラシックとジャズのないまぜになったガーシュインの雰囲気をうまく活かしたしなやかな音色に感動する声がしきり…


市川氏がソロで使用したフリューゲルはマルカート。登場したばかりの頃は「数万円台で手に入る」ということで大きな話題を呼んだこの楽器、トリガーやウォーターキーへの配慮など、最初に手にするフリューゲルとしては最高の評価を得ています。

そのしなやかな音色の秘訣を訊かれ、服部氏は「実はホルンに憧れていたんです…」と告白(どきっとする井手氏の表情に注目)。ホルンの雰囲気で吹いてみると、キツい音色になりがちなトランペットにもしなやかな表情を薫らせることができる…。

服部氏が憧れるホルンの魅力をたっぷり味合わせてくれたのが、やはり新日本フィル首席ホルン奏者の井手詩朗氏。演目は《協奏曲第三番 第二楽章》(モーツァルト)。ブラスアンサンブルでのこの楽曲も、いいものです


吉松隆の《オリオンマシーン》の超絶的名演で有名な日本が世界に誇る逸材、箱山芳樹氏(新日本フィル首席トロンボーン奏者)は《ロンドンデリーエア》(アイルランド民謡)を劇奏。ジャズテイストもおりまぜ、肩の凝らない、それでいて超絶技巧やウルトラパワーをさりげなく披露するアレンジが「オトナ」でした。

ソロコーナーのしんがりは、チューバ奏者佐藤和彦氏のソロで《エイント・ミスビヘイヴン(浮気はやめた)》(ファッツ・ウォーラー)。市川氏のMCで、有名なファッツ・ワーラーの本名が「トーマス」であることを知り驚きましたが、もっと驚いたのはチューバのソロでのこのスタイル。

そして本編の最後を飾ったのは名曲《ウェストサイド・ストーリー》(バーンスタイン)からの三曲。《マリア》《アメリカ》《トゥナイト》のいずれもが、映画に忠実な痛快無比なアレンジ。たった5人で映画を髣髴とさせてくれる素晴らしい演奏が繰り広げられ、聴衆は陶然と…


そしてお楽しみのアンコールは、《ホエン・ザ・セインツ・ゴー・マーチン・イン(聖者の行進)》(トラディショナル)。まず佐藤氏がひとりで登場し、ベースラインを吹いていると…

予想通り?トロンボーンの箱山氏が乱入(笑)。いかにも箱山さんらしい楽しい演奏で盛り上がるうちに…

メンバー全員が集結し、アカデミックホールはアカデミックな《セインツ》が繰り広げられたのです。みんな手拍子で、盛り上がる盛り上がる!


演奏曲

●モーツァルトホルン協奏曲第3番より2楽章 ●ウァラー/浮気はやめた
●スコットランド民謡/サイモン&ガーファンクル スカボローフェア 他

Trp 服部孝也

愛知県立芸術大学音楽学部卒業、桑原賞受賞、読売新人音楽賞受賞。同年新日本フィルハーモニー交響楽団に入団。1999年アフィニス文化財団海外研修生として、ニューヨークのマネス音楽大学で学ぶ。ソリストとして、ロストロポーヴィチ指揮ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第一番、G.ボッセ指揮ハイドンのトランペット協奏曲などを新日本フィルと共演。また2007年、自身初のリサイクルを行う。トランペットを竹本義明、津堅直弘、クリス・ゲッカー、ヴィンセント・ベンザレラの各氏に師事。現在新日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者、愛知県立芸術大学非常勤講師、なぎさブラスゾリステン、トウキョウブラスシンフォニーのメンバー。


Trp 市川和彦

国立音楽大学において祖堅方正氏こ師事。在学中に新日本フィルハーモニー交響楽団に入団。87年、N響の津堅氏らとトランペットアンサンブル「トランペット5」を結成。93年、文化庁の在外研修員としてウィーンに留学。ウィーン国立音楽大学でウィーンフィルのアドルフ・ホラー教授に師事。東京トランペットコアー、津堅直弘ブラスアンサンブルのメンバーとして、それぞれのCDをリリース。水戸室内管、アジアフィル(チョン・ミュンフン指揮)や、スーパーワールドオーケストラ(ロリン・マゼール指揮)に出演。ウィーンフィル、ロイヤルフィル、ハンガリー国立響、ポリショイ歌劇場、ドレスデン国立歌劇場などの来日公演でエキストラ奏者を勤めた。現在、新日本フィルを中心に活動を行っている。


Hrn 井手詩朗

1981年国立音楽大学入学。ホルンを大阪泰久、干葉馨の両氏に師事。在学中に東京佼成ウインドオーケストラに入団。1985年国立音楽大学卒業。1988年新日本フィルハーモニー交響楽団に移籍。第2回日本管打楽器コンクールホルン部門第3位。第5回日本管打楽器コンクールホルン部門第2位。ソリストとしては、ソロリサイタルを東京、その他各地で行っている他、新日本フィルにおいてモーツアルトやR,シュトラウスの協奏曲を共演。また全国各地のオーケストラ、吹奏楽団等で協奏曲を多数共演。室内楽ではJapanNorthBrass(金管5重奏)を主宰。その他多数室内楽プロジ工クトにも参加。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団首席ホルン奏者を務める傍ら、国立音楽大学、尚美ミュージックカレッジ、すみだトリフォニーホールジュニアオーケストラ等で後進の指導にも精力的にあたっている。


Trb 籍山芳樹

国立音楽大学卒業。1988年国際トロンポーン協会オーストリア支部による国際コンクールに審査員として参加、ソロリサイタルを開催。1993年日本フィルハーモニー交響楽団第449定期演奏会にて吉松隆作曲トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」を初演。
2007年マーキュリーからソロCD「Viva Yoshiki」及びメアジックからCD「もっとトロンポーン」を発売。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団首席トロンポーン奏者。東京トロンポーンゾリステンのメンバー。国立音楽大学、東京音楽大学各非常勤講師。日本トロンボーン協会副会長。


mb 佐藤和彦

国立音楽大学卒業。第5回フィリップ・ジョーンズ国際コンクールチューバ部門第3位受賞。第43回マルクノイキルヒェン国際コンクールチューバ部門第2位受賞。東京オペラシティにてソロリサイタルを開催。ソリストとして、新日本フィルハーモニー交響楽団、ミュールーズ交響楽団、プラウ工ン=ツヴィッカウ・フィルハーモニー管弦楽団、尚美ウインド・フィルハーモニー、各アマチュア団体等と共演。チューバを稲川欒−、相田良典の両氏に師事。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団首席チューバ奏者。ジャパン・チューバ・ソロイスツ、ズーラシアンブラス、如月四重奏団、各メンバー。くらしき作陽大学、作陽音楽短期大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校、各講師。日本ユーフォニアム・チューバ協会理事。


そして一番最後に、お楽しみの「選定楽器お渡し会」

これは、この日出演することが決まったプレイヤーがあらかじめ選定しておいた楽器を、選定者との記念写真付でお渡しする下倉楽器独自のセレモニー。一見同じように見える管楽器ですが、実はすべて一本一本が手作り。よしあしではなく、どれも個性に溢れているのです。それをまた個性豊かなアーティストが心をこめて選定する…これはなによりも素敵なプレゼント。毎年、多くの笑顔がここから生まれます。

「楽器の選定」について

下倉楽器では、来店されたトップ・プレーヤーに、数ある楽器の中から 音色・操作性・鳴りのバランスなどをチェックし、
「これはおすすめ!」という楽器に、直筆サイン入りの楽器選定証明書をお付けして、提供させていただいております。
このコーナーで紹介している選定楽器は、どれも今回限りの限定品で、普段は入手困難で貴重な、まさに「価値ある1本」と言えます。
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